物件の選び方 — 区分・一棟・戸建の違いとエリア戦略
物件タイプによってリスク・リターン・必要資金が全く違います。初心者が「どこから始めるか」を決めるための比較軸を整理します。
最終更新: 2026年6月
3行サマリ
- 区分は手堅く始めやすい・一棟はCF厚い・戸建は地方安価で始められる
- 新築は管理楽だが利回り低・中古は利回り高だが修繕リスク
- 都心は安定空室・地方は高利回りだが将来需要に注意
3つの物件タイプ比較
初心者さん
区分・一棟・戸建って、結局どれを選べばいいんですか?
先生
正解は一つではなく、予算と目的しだいです。ざっくり言えば「区分は手堅く始めやすい」「一棟は手元に残るお金が厚い」「戸建は地方で安く始められる」。まずは下の表で全体像をつかみましょう。
| タイプ | 価格帯 | 利回り目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 区分マンション | 1,500-3,000万円 | 表面4-6% | 融資が通りやすい / 流動性高 / 管理組合任せでラク / 利回り低い |
| 一棟アパート | 5,000万-2億円 | 表面7-10% | CF厚い / 複数戸でリスク分散 / 修繕は自分で / 融資ハードル高 |
| 戸建賃貸 | 500-2,000万円 | 表面8-15% | 安価で始められる / DIY可 / 1戸=空室=家賃ゼロ / 地方主体 |
表面利回りはあくまで目安。実際は経費・空室・ローン返済を引いた「実質利回り」「税後CF」で判断します。 キャッシュフロー記事 も参照。
新築 vs 中古
初心者さん
新築と中古なら、やっぱり新築のほうが安心ですよね?
先生
安心しやすいのは確かですが、その分おトクとは限りません。両者の違いはこんな感じです。
- 新築: 入居付けが楽・修繕費が当面ゼロ・融資条件良好。ただし価格にデベロッパー利益が乗っているので利回りは低い
- 中古: 利回りが高く減価償却を取りやすい。ただし修繕履歴・建物状態の見極めが必要
初心者さん
「節税には中古がいい」って聞きますが、なぜですか?
先生
たとえば築22年超の木造アパートは、減価償却を4年で一気に取れるんです。これが節税派に人気の理由。ただし4年後にはデッドクロス(税負担が急増する局面)が来るので、いつ売るかという出口戦略は必須ですよ。
構造別の特徴
- RC造(鉄筋コンクリート): 耐用年数47年。長期保有向き。融資年数が長い
- SRC造: 47年。高層物件・大規模一棟
- 重量鉄骨: 34年。中規模アパート
- 軽量鉄骨: 19年。ハウスメーカー系アパート
- 木造: 22年。アパート・戸建。短期償却で節税向き
詳しくは 減価償却と耐用年数 を参照。
都心 vs 地方
初心者さん
利回りが高い地方の物件って、お得じゃないんですか?
先生
利回りの数字だけ見ると魅力的ですが、地方は「将来の入居需要」という大きなリスクとセットなんです。エリアごとの傾向を整理しておきましょう。
- 都心(東京23区・大阪市・名古屋市等): 利回り低い(4-6%)が空室リスクが低く、長期的に物件価格も維持されやすい。価格高
- 地方政令市・中核市: 利回り中程度(6-9%)。地元需要があれば安定
- 地方の小規模都市・郊外: 利回り高い(10%+)。ただし人口減少エリアは将来空室リスクが高い
「利回り15%!」のような物件は地方で出やすいですが、人口推計・賃貸需要を確認しないと「買ったはいいけど誰も借りない」状態になります。エリア選びは利回りより需要が先。
価格帯別の戦略
- 500-1,500万: 地方戸建・地方区分。現金 or 小口融資。副業感覚
- 1,500-3,000万: 都心区分・地方戸建複数。サラリーマン投資の入口
- 3,000-8,000万: 中規模アパート・好立地区分。属性次第で融資可能
- 8,000万-3億: 一棟RC・規模拡大期。プロパー融資・法人化検討
内見・チェックポイント
- 共用部の清掃状況(管理状態の指標)
- 外壁・屋根・防水の劣化(大規模修繕の時期推定)
- 給湯器・エアコンの設置年(設備交換予算の根拠)
- 近隣の競合物件の家賃・空室状況
- 駅徒歩・周辺施設(コンビニ・スーパー)
- ハザードマップ(地震・水害・土砂)
- 過去の修繕履歴(売主・管理組合から)
候補物件が決まったら シミュレーター で50年CFを試算。次は 失敗しないチェックリスト で購入手続きでの落とし穴を確認。