投資用不動産の売却タイミングと譲渡所得税
売却タイミングひとつで、手取り額が数百万円変わります。譲渡所得税の短期/長期の壁、デッドクロスとの兼ね合い、査定額を最大化する手順を整理。
最終更新: 2026年6月
3行サマリ
- 保有5年以下=39.63%、5年超=20.315% — 1ヶ月差で税率がほぼ倍
- デッドクロス前の売却で税負担急増を回避
- 売却価格は複数社一括査定で最大化(1社だけでは300-500万円損する)
「5年経ったから売却OK」は正確には間違い。譲渡所得税は「譲渡した年の1月1日時点で保有5年超」で長期判定されます。実質6年以上は保有が必要です。
① 譲渡所得税の短期 vs 長期
短期譲渡(5年以下): 39.63% (所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%)
長期譲渡(5年超): 20.315% (所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)
長期譲渡(5年超): 20.315% (所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)
譲渡所得 1,000万円の場合:
短期: 約396万円の税負担
長期: 約203万円の税負担
差額: 約193万円
長期: 約203万円の税負担
差額: 約193万円
つまり「5年で売る」と「6年で売る」では、同じ売却益でも手取りが約200万円違います。
② デッドクロスとの兼ね合い
減価償却が終わると税負担が一気に増えます。「減価償却終了直前に売却」が一つの定石。
- 築古木造(耐用22年超) → 4年で償却終了 → 5-6年目で売却が候補
- 築15-20年RC → 残存耐用年数30年程度 → 長期保有可能
- シミュレーターの「💡 IRR最大の売却年」で最適年を確認できる
詳しくは デッドクロスを参照。
③ 売却価格を最大化する
投資用不動産の売却で最も大きな失敗は「1社だけに査定依頼」。一括査定で複数社を競合させると査定額が300-500万円違うのは珍しくありません。
④ 売却諸費用を見積もる
- 仲介手数料: 売却価格×3%+6万円+消費税
- 印紙税: 1-6万円(売却価格による)
- 抵当権抹消登記: 数千-1万円
- 司法書士報酬: 数万円
- 譲渡所得税: 別途確定申告で納付
総諸費用は売却価格の 4-5% が目安。シミュレーターの「売却諸費用率」で反映されます。
⑤ 売却後の手残り計算
手残り = 売却価格 − 売却諸費用 − ローン残債 − 譲渡所得税
シミュレーターで売却年を設定すると、上記の手残り(売却純収入)と累計CFへの加算が自動計算されます。
⑥ 売却を実行する前のチェック
- 1月1日時点で保有5年超か(短期 vs 長期判定)
- 同年内の他の譲渡損益と通算できないか
- 居住用財産の3,000万円特別控除は不動産投資には適用なし
- 取得時の諸費用領収書を確保(譲渡費用に含まれる場合あり)
- 建物の簿価計算(減価償却累計を正確に)
- 確定申告で分離課税を選択
次のアクション
- シミュレーターで「売却」を有効化し、最適売却年を確認
- 複数の一括査定サイトで現在の市場価格を把握
- 税理士に譲渡所得税の試算を依頼(高額譲渡なら必須)